2022年度の新企画
国営公園の内と外を結び
岩原のタカラめぐりを楽しみませんか!

岩原千年の歴史を持つ古田と戦後に新しく開拓された棚田、公園内外両方の田にナバナが咲きます

岩原千年の歴史を持つ古田と戦後に新しく開拓された棚田、公園内外両方の田にナバナが咲きます

イベントの趣旨

私たちの岩原には、国営アルプスあづみ野公園を中心に数多くのステキな場所見どころがあります。岩原の自然と文化を守り育てる会では『これぞ安曇野 岩原のタカラ』という案内本を刊行して多くのみなさんに岩原の魅力を発信しています。

今回は「刊行したガイドブックを片手に岩原のタカラめぐりを楽しもう」をテーマとして、国営公園の内と外を結ぶ現地見学会を企画しました。毎月1回楽しむ内容を定め、その場で十分に触れて感じることのできるイベントです。

市民のみなさん、以下に示した初めての催しをご覧いただき、積極的にご参加ください。きっと、岩原ならではの自然や文化を存分に楽しむことができ、明日からに向け元気やる気が湧くと確信しています。多くの方に参加いただきたくご案内いたします。

イベントの概要

日時
令和4年度月1回第2土曜日の定例開催、午前9時30分~12時
(これが原則ですが、天候や内容によって修正変更などがあります。)
内容
毎回個別のテーマを定めコースを設定します(スケジュール参照)。
公園の中と外を約4~6㎞散策して現地で実物に触れ感じて楽しむ見学会です。
坂道を含む歩行ができればだれでも参加できます。
定員
3月13日(日)から募集を開始し、先着順に最大限25名の定員とします。
参加費
無料(公園入場料とテキストのガイドブック購入費1,000円が別途必要になります。)
講師
ガイド役で会代表の百瀬新治が務めます。内容により専門家を依頼します。
主催
岩原の自然と文化を守り育てる会
申し込み先
岩原の自然と文化を守り育てる会(百瀬)090-3090-2578

タカラめぐりスケジュール

第1回 4月24日(日)・・発会式、岩原山神社祭典担ぎ舟を見学する

公園内:公園内諸施設見学、棚田のナバナ
岩原区:岩原山神社、舟張り場、山口家長屋

第2回 5月14日(土)・・オオルリシジミを探し 岩原の春を楽しむ

公園内:中央口春の樹林、旧つつみ堰沿い、サンクチュアリ
岩原区:新屋のクララ、百瀬宅周辺のオオルリシジミ、上手の屋敷林

第3回 6月11日(土)・・身近な道祖神と訪ね 叶えたい夢を託する

公園内:お日さま道祖神、天蚕飼育
岩原区:新屋の顔欠け道祖神、中村道祖神、上手の道祖神

第4回 7月9日(土)・・古田と棚田を比べて 千年以上続く岩原の稲作を体感する

公園内:西に流れる用水堰、棚田のしくみ、水を温める知恵の跡
岩原区:古田のようす、石間に造った水田、水利権の厳しさ

第5回 8月13日(土)・・日本海へ続く古道をたどり 岩原の夏を楽しむ

公園内:烏川のつり橋、ヒマワリ迷路、古くからの草道
岩原区:烏川の渡し場、今も残る千国道、道端に立つ道しるべ

第6回 9月10日(土)・・古墳と遺物に触れ 1300年前の岩原を偲ぶ

公園内:E3号古墳、F9号古墳 出土遺物見学
岩原区:小林古墳、岩原古墳、前の髪古墳

第7回 10月8日(土)・・数多くの石仏・石神を拝観し 岩原の秋を楽しむ

公園内:上手の馬頭観音、宝篋印塔、新屋の大日如来
岩原区:新屋の馬頭観音、虫歯の神さま、中村の二十三夜塔

第8回 11月12日(土)・・開拓地だった園内をめぐり 公園開設前の岩原を知る

公園内:棚田に残された開拓の跡、ナゾの水路、開拓前の旧共有林
岩原区:現在の開拓集落、地下を通るダムからの水、初冬の農作業

第9回 12月10日(土)・・岩原の生んだ偉人の足跡を訪ね 江戸からの先人を偲ぶ

公園内:孤峰院跡と安楽寺跡、薬師堂
岩原区:新屋と中村の筆塚、大庄屋山口家

第10回 1月14日(土)・・冬を生き抜く生き物の姿や跡を探し 岩原の冬を楽しむ

公園内:古田と棚田の足跡、林間の生活痕跡
岩原区:屋敷林に生きる動植物、春を待つ畑の植物

第11回 2月11日(土)・・伝統行事三九郎を体験し 新年の多幸を祈る

公園内:岩原区民が立てた三九郎、水車小屋とお日さま道祖神
岩原区:金山様、顔欠け道祖神、山犬道標

第12回 3月11日(土)・・まとめの式、山野草の芽吹きを観察し 春の味に親しむ

公園内:白池堤周辺、棚田の土手、中央口周囲
岩原区:旧千國街道、岩原堰沿い

*公園の内と外は厳格に区別できていません。

リクエストにもお応えしながら、柔軟に内容等を変更して実施していく予定です。

当日のようす

第1回 4月24日(日)・・発会式、岩原山神社祭典担ぎ舟を見学する

開会式の様子。国営公園の所長さんと当会の百瀬代表の挨拶がありました。

最初のタカラは大庄屋山口家です。 江戸時代中期、なぜ里より不便とも思われるこの烏川渓谷の入口に山口家が移転してきたのか、 その謎にせまります。

この日は山神社の例大祭でしたが、残念ながら新型コロナの影響で船の曳航はなく、 神事だけが執り行われました。 それでも祭典保存会の皆さんが船の幕だけを持って歩く珍しい光景を観ることができました。 来年こそは盛大なお祭りができますように!

第2回 5月14日(土)・・オオルリシジミを探し 岩原の春を楽しむ

国営公園の堀金口に集合しました。

公園から特別の許可を得て、オオルリシジミ保護区で観察会をしました。

今年はオオルリシジミがとても少ないのですが、幸運にもオオルリシジミに出会うことができました。

オオルリシジミが羽を広げたところ。瑠璃色の美しい姿を観ることができました。

第3回 6月11日(土)・・身近な道祖神と訪ね 叶えたい夢を託する

朝ドラのロケ地として使われた場所にある、おひさま道祖神(公園内)。 地元の石屋さんが製作した2体の道祖神の1体ですが、はたしてもう1体の行方は・・

公園内の天蚕飼育を見学しました。天蚕(ヤママユ)のまゆは美しい光沢のある薄い緑色です。

鮮やかな緑色の天蚕の幼虫。 クヌギの葉と同じ色なので注意深く探しましょう。

新屋の道祖神見学。ここには江戸時代に作られた新旧2体の道祖神があります。 古い道祖神は飢饉や不幸が続いて地元の人に顔を欠かれた、と伝わっていました。

顔を欠かれた道祖神は行方不明と思われていましたが、昭和になって発見され、 ついに2021年、「がんかけ道祖神」としてもとの場所に戻ってきました。 早速がんかけをして願いが叶ったという話も・・

こちらは新屋の新しい(といっても江戸時代)の道祖神。

岩原公民館のすぐ横にある中村の道祖神の見学の様子。 ここも新旧2体の道祖神が祀られています。

第4回 7月9日(土)・・古田と棚田を比べて 千年以上続く岩原の稲作を体感する

国営アルプスあづみの公園内に残された古田。

このあたり一帯はかなり古くから水田が作られ、集落の遺跡も発掘されています(岩原遺跡)。

公園内を流れる岩原堰。安曇野地方では用水路のことを「堰(せぎ)」と呼びます。 烏川の水はとても冷たいので、昔の人は少しでも温かくした水を田んぼに供給するため、 田んぼまでわざと遠回りさせたり一時的に水をためておくところを作りました。

こちらは生活用の堰。流れも急で冷たいので、衛生面でのメリットがあります。

公園内に作られたビオトープ

第5回 8月13日(土)・・日本海へ続く古道をたどり 岩原の夏を楽しむ

第5回は諸般の事情で中止とさせていただきました。

第6回 9月10日(土)・・古墳と遺物に触れ 1300年前の岩原を偲ぶ

花一面の小道を歩いて東屋へ向かいます。

涼しいあずま屋での百瀬代表の説明。 このあたりには4〜5千年から人の住んだ跡があります。

大庄屋山口家から須砂渡へ向かう途中の林の中の古墳。 説明がないと通り過ぎてしまいますが、このあたりの西山山麓には多くの古墳が存在しています。

かなりの土が盛られているのが分かります。

こちらは標柱も立っている小林古墳。

遠くから眺めるとかなりの大きさです。

国営アルプスあづみの公園内を流れる堰(せぎ)。 この地域では用水路のことを堰と呼びます。

国営アルプスあづみの公園内にあるF9、F10古墳。 国学院大学によって調査されました。 7世紀ごろ作られたそうです。

これも公園内の古墳。 このあたりは、穂高古墳群のなかのF群と呼ばれる古墳群で、 烏川沿いに穂高柏原にかけて古墳が点在しています。

第7回 10月8日(土)・・数多くの石仏・石神を拝観し 岩原の秋を楽しむ

天気もよく、この日も多くの方に参加していただきました(岩原口から出発)。

江戸時代に建てられた宝篋印塔。

第8回 11月12日(土)・・開拓地だった園内をめぐり 公園開設前の岩原を知る

公園内:棚田に残された開拓の跡、ナゾの水路、開拓前の旧共有林
岩原区:現在の開拓集落、地下を通るダムからの水、初冬の農作業

新屋地区にある寺院あと。

いまも石仏が残ります。

新屋のこの田んぼ道は、NHKの朝ドラ「おひさま」でも使用されました。

新屋地区にある岩原で一番大きな馬頭観音。 いまでも毎年この場所で観音様のお祭りが開かれています。

地元では堂森とも呼ばれいる場所です。 お堂にはとても貴重な仏像がありましたが、 悲しいことに昭和の時代に窃盗にあいました。

顔を傾けていることから「虫歯の神様」とも呼ばれています。

すばらしい紅葉です。まさに隠れた写真スポット。

新屋地区を流れる田多井堰。

これは個人宅にある馬頭観音。

これも個人宅にある馬頭観音ですが、とても大きな観音様です。

第9回 12月10日(土)・・岩原の生んだ偉人の足跡を訪ね 江戸からの先人を偲ぶ

公園内:孤峰院跡と安楽寺跡、薬師堂
岩原区:新屋と中村の筆塚、大庄屋山口家

小春日和のよい天気で、多くの方に参加していただきました。 国営アルプスあづみの公園内で百瀬代表の説明に耳を傾けます。

公園内からは安曇野・松本方面が一望できます。 岩原地区は小高いところにあるので、特に冬はこのような景色がよく見えます。

「ガラ紡」で有名な発明家の 臥雲辰致(wikipedia)が住職をしていた臥雲山孤峰院跡。

案内板も立っています。

公園内にあるこの池を含め、岩原には水不足のときに用いるため池がいくつかあります。

こちらは公園内に作られたビオトープ。

第10回 1月14日(土)・・冬を生き抜く生き物の姿や跡を探し 岩原の冬を楽しむ

公園内:古田と棚田の足跡、林間の生活痕跡
岩原区:屋敷林に生きる動植物、春を待つ畑の植物

道祖神にお参りして見学ツアーの出発です。

宝篋印塔があるこのあたりに安楽寺の大門があったと考えられています。 立派な松がありましたが、残念ながら数年前に枯れてしまいました。

急な坂道を上り、薬師堂に向かいます。

薬師堂。 縁日にはお堂の中で地元の人が集まり宴会が開かれたり、甘酒が振る舞われたりします。

「ほうそう神さま」と「三峰さま」。 昔はもう少し高いところにありましたが、現在は薬師堂の境内に移されています。

山麓線のそばにある馬頭観音。 岩原には多くの馬頭観音があります。馬が家族同様にとても大切にされていたことの証でしょう。

第11回 2月11日(土)・・伝統行事三九郎を体験し 新年の多幸を祈る

公園内:岩原区民が立てた三九郎、水車小屋とお日さま道祖神
岩原区:金山様、顔欠け道祖神、山犬道標

第11回は、大雪のため中止とさせていただきました。

第12回 3月11日(土)・・まとめの式、山野草の芽吹きを観察し 春の味に親しむ

公園内:白池堤周辺、棚田の土手、中央口周囲
岩原区:旧千國街道、岩原堰沿い

公園内のあづみの学校」の見学。 長野県西部のジオラマで百瀬代表の解説を聞きます。 上高地から蝶ヶ岳を超えて烏川沿いに降りてくるルートは、 江戸時代まで松本と高山を結ぶ大切なルートでした。

この周辺で見られる動植物が展示されています。

再現された民家の座敷で、飛騨から松本まで夫を訪ねてきた母子悲しい物語りを聞きます。 百瀬代表の祖父の祖父の時代の話しだそうです。

まとめの式。 初めての企画でしたが、たくさんの方々に参加していただき、大変ありがとうございました。